【レビュー #4】WORLD SOCCER Winning Eleven UBIQUITOUS EVOLUTION 2008

PSPでは初のウイイレ体験。
新作である「2008」をプレイしていなかったので、期待に胸ふくらませて購入。

が、まったくもって想像していたよりも楽しくない…。
全体的にもっさりとした挙動は、PSPだからというよりもリアルサッカーに近づけた「2008」としての仕様だから諦めはつく。ただ、新作が出る度に言われることだが、「ウイイレとしての面白さはどこにあるのか」という本質が薄れつつある気がする。

オフサイドのルールがいまいち分からない人でも、日本代表の試合しか観ない人でも、CS放送で欧州リーグを欠かさずチェックしている人でも、誰でもがサクサクと楽しめるのがウイイレとしての良さであり、面白さなんだと思う。バーチャルとリアルの接近は次世代機になればなるほど近くなるし、また、近づけるようにと周囲からの期待もある。どこでそのバランスの均衡を保つかは難しいと思うが、「10」において集大成を銘打ったからには、次作以降の出来に期待したい。

(「2008」がPS3の本体を普及させるだけの役割であり、ゲームとしてのクオリティが伴っていなかったようにも感じる。CMやパッケージに今が旬のクリスティアーノ・ロナルドを起用し、大量宣伝にかまけたのも頷ける)

と、シリーズへの評価っぽくなってしまったので、本作に限っての良し悪しを列記する。

【良さ】
PS2版とのデータリンクがあり、出先でも同じように楽しめる。
・選手データが(比較的)新しい。
・据え置き版での操作が再現されている。
・BGMのセンスが良い。曲目もサッカーのイメージと合う。

【悪さ】
・購入前から分かっていたことだが、実況がない。ゴール時だけ英語による機械的なアナウンスが入るが、ものすごい違和感がある。
・MP3をゲーム内で再生できる機能があるが、試合中は再生不可能。
・ゴール前の密集地で処理落ちが発生する。
ダッシュをすると選手のグラフィックが乱れるときがある。
・製品発表時にはインフラストラクチャモードによるオンライン対戦が可能としていたが、最終的にはやはりアドホックモードのみの対応となった。
・(PSP版の)前作、前々作と比べるとロードは早くなっているようだが、携帯機としてみれば長め。フォーメーション設定画面に入るときも読み込むので、ゲーム全体が鈍い。


携帯機のサッカーゲームとしては完成度が高いのかもしれない。
ただ、ストレス無く遊びたいという内容を望むならば、不満は残る。