【レビュー #8】BIOSHOCK(PS3)

「 神は~俺を~愛してる~♪ 聖書に書いてあったから~♪ 」

良い点
  • 狂気をまとった異様な世界観。60年代のアメリカのレトロな雰囲気を残しながら、社会から孤立し朽ち果てた海中都市という舞台設定が秀逸。
  • 「水」に関するグラフィック表現が美しい。本作を象徴するものだけに、その冷たさが感じられるよう。
  • 非常にストーリーテリングが上手い。プレイヤーが操る主人公の行動すら予定調和的に物語へ組み込まれているのが憎らしい。
  • キャラクターがぶっ飛んでてイイ!変人ばかりが徘徊しており、敵味方ともにおかしな人ばかり。「芸術は爆発だー」。
  • ローカライズが素晴らしい。敵味方のセリフはもちろん、しゃべる自販機や散在するテープレコーダーまでしっかりと吹き替えされている。洋ゲーの吹き替えは作品の質を大きく左右するものだけど、今作についてはその質を見事に押し上げている。
  • 戦闘はFPS、探索や主人公の成長要素はRPGといった珍しいシステム。プラスミドと呼ばれる特殊能力(感電させたり燃やしたり)と銃火器(ピストルやマシンガンなど)を駆使しながら進んでいく。どちらかの攻撃手段だけでクリアできるわけでもなく、プレイヤーは状況に応じて最適な方法を考える必要がある。
残念な点
  • ハッキングのミニゲーム(パズル)が面倒。後半になり難易度が上がっていくと、理不尽とも言える状況になることも(最初のパネル配置で既に出口までの道筋がなく、ダメージを受けることが確定する場合がある)。
  • (ネタバレ:要反転)ラスボス戦がチープ。攻撃パターンも単調で、戦闘も大味。ここに至るまでの練り込まれたストーリー演出と比すると、肩透かしを食らう。

海外作品であることや独特なデザインに躊躇するのはもったいない。本作のシナリオはゲーム史に残るものだと思いますし、ローカライズも優れているので、おすすめです。

冒頭の歌が頭の中で再生され続けたら、あなたも立派な スプライサー です。

BIOSHOCK (バイオショック) (廉価版) - PS3

BIOSHOCK (バイオショック) (廉価版) - PS3

  • 発売日: 2012/10/25
  • メディア: Video Game