【レビュー #48】特殊報道部

【リージョン】日本版 【レビュー時のプレイ時間】15h

<総合評価> 2.8 / 5

独創性 映像性 音楽性 操作性 熱中度
3 3 3 3 2 各/5点中
良い点;
  • 美しいキャラクターデザイン。凛としたヒロイン”楓“の存在は大きな魅力。
  • オカルト要素の解明をテーマにしながらも、もとより主人公自身がその方面にあまり明るくないという設定なので、物語を読み進めるうちにプレイヤー自身も様々な用語や現象を楽しみながら知ることができる。
  • 有名声優起用のボイスアクト。ヒダゴーン。
悪い点;
  • 文章が面白く無い。個性的なキャラクターが「実際に」喋っているから面白いのであって、テキストが面白いのではない。個人的に旧チュンソフト製のサウンドノベルが大好きなだけに、そうした作品と比べると文章の質に大きな隔たりがある。
  • 物語各話の分岐が大きな2択しかなく、ふざけた選択肢による珍妙なバッドエンドも無い。そもそも、プレイヤーが介入できる範囲(=選択や行動によるストーリー変化)がごくわずかであり、ゲームプレイというよりも「鑑賞」に近い。他のアドベンチャーゲームよりもかなり退屈。
  • 実際のテレビ局から協力を得て制作した“面白み”を見出せない。高いリアリティを踏まえて非日常的なオカルティックな出来事を取り上げるならまだしも、登場するキャラクターやセリフ回しが戯画的すぎて興ざめする。
  • ゲーム展開も声優の勢いに任せているように感じられ、そこに楽しさを感じられなければ熱中して読み進めることは難しい。


総評;

日本一ソフトウェア製のアドベンチャーゲームPSPの頃から『流行り神シリーズ』に興味を持ちつつも、どうも毛色や作風が合わないような感じがして実際にプレイすることはなかった。今回のフリープレイで初めて同社の作品をプレイしたが、やはりイマイチそのノリについていけなかった感がある。アドベンチャーゲームでもプレイヤーの裁量がある程度大きく、その選択ひとつで物語が横に広がっていくような「振れ幅」のあるゲームが好きな人には物足りない作品かもしれない。一方で、人気の声優陣によるわいわいガヤガヤとした掛け合いを楽しめる人であれば評価も変わってくると思われる。個人的にVITAの同ジャンル『真かま』『シボウデス』『タイトラ』は楽しめただけに、今作の肩透かし具合には少しがっかり。

特殊報道部 - PSVita

特殊報道部 - PSVita

  • 発売日: 2012/08/23
  • メディア: Video Game