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まいにちコントローラーを握りたいゲーマーのプレイログ

【レビュー】Until Dawn - 惨劇の山荘 -

『Until Dawn - 惨劇の山荘 -』のレビュー。


【レビュー時のプレイ時間】 25h
<総合評価> 4.0 / 5

(項目) 独創性 映像性 音楽性 操作性 熱中度
(評点/5点) 3 5 5 3 4
良い点
  • 「ハリウッドの典型的なB級ティーンホラー」を題材としている通り、まさにその通りの内容。次々と若者が恐怖のどん底に陥れられる様はどこかで見たような展開ながら、実在の俳優をキャプチャーした見事なフェイシャルモーションと仕草のおかげで、ゲームを操作している感覚と映画を観ている感覚の中間のような不思議な体験。PS3の名作アドベンチャー『ヘビーレイン』の時よりもハードスペックや技術が向上していることもあり、単なるアドベンチャーゲームというよりも、よりリアルでインタラクティブなドラマ作品という印象が強い。出演している俳優のファンであれば、なお楽しめるはず。
  • 孤立した寒々しい山荘の様子や朽ち果てて得体の知れない狂気を宿す旧施設など、ロケーション毎に恐怖を感じさせるリアルなグラフィックが懐中電灯片手に探索するプレイヤーの気持ちをざわつかせる。クローズドサークルの王道とも言える環境の中、劇中のキャラクターがささいな物音や周囲の変化に飛び上がるように驚くのと同じように、コントローラーを握る手にも自然と力が入ってしまうほど、舞台の描写には現実感がある。
  • テーマソングがこれから起こる惨劇やキャラクター同士の不和を暗示しているようで印象深い。劇中の音楽もホラー作品らしい緊張感があり、サウンドから状況の遷移や感情の変化を感じ取れる。キャラクターの性格を感じられる日本語吹き替えの人選もナイス。
  • 物事を「調べる」ためのアクションとして、単にひとつのボタンを押すのではなく、R2ボタンホールドの掴む動作+左スティック操作としているところが探索にメリハリを生んでいる。コントローラー操作としては単純ながら、プレイヤーへ適度な“触感”を与えてくれる。
残念な点
  • 本作の日本版で施された暗転規制は、これまで目にしてきた数々の「Z規制」の中で最も酷いかも。日本の倫理規定(これ自体もかなり疑わしいが)に照らして海外作品のエロ・グロを制限することには一定の理解を示すとは言え、本作のように該当シーンを暗転させてセリフのみ流すという雑な対処は見たことがない。特に、ストーリー終盤の暗転するシーンは、唐突な場面転換(※下記動画参照)のためまったく訳が分からない。本作における規制を例えるならば、映画『SAW』での残虐シーンがすべて暗転しているようなものであり、ストーリーを刺激する重要な場面、言い換えれば作品の個性をも殺す規制とも言える。いい加減、ゲームとそれ以外の映像作品において隔絶している表現差に対して、そろそろ真剣に検討する時期ではないだろうか。なお、これらの規制に関する情報は、販売元のSCEから一切告知が無かった。
  • 本作を象徴する要素として掲げられている「バタフライエフェクト」だが、これまでのアドベンチャーゲームに搭載されている “分岐” との大きな違いを感じるほどではなかった。とある選択が有機的に次々と連関して予想外の場面で影響を及ぼすのかと思いきや、結局は直接的な事象の結果(例:「地下室にバットをたまたま放置した」→「地下室に逃げ込んだ際にバットで反撃できた」)でしかなく、ちょっと肩透かし。日本のアドベンチャーゲームに多く搭載されている “フローチャート” の特定箇所(分岐)をバタフライエフェクトとして強調しているだけであり、エンディングも各々のキャラクターの生死のみに焦点が当たる程度で、誰が死んで誰が生きているかによって変化する部分は思ったより少ない。

★総評

現時点でのPS4タイトル群において、探索やグロに特化したインディー系ホラー作品はいくつかあるが、間口の広い王道B級ハリウッドホラーの存在は貴重。
海外ではリリース後しばらく人気配信タイトルの上位に位置していたことも、この作品への期待が高かったことが窺える。

それだけに、日本における本作の規制は残念でならない。先般の『ダイイングライト』の緑血騒動もさることながら、表現が豊か(過激)になればなるほどCEROの監視が真っ当な役割を放棄して、機能不全に陥っているように思えてしまう。

(ネットでは「日本はグロには厳しいが、エロには優しい」という言葉もよく聞くが、リアルなキャラクターの乳房や性交を厳しく取り締まる反面、コピペされたような萌キャラの際どい露出やフェティッシュなモデリングには寛容な業界の姿勢にも辟易する。)

今後は、規制の対象となり得そうな特定のシーンにだけスポットを当てるのではなく、作中の文脈として正しく評価・判断してもらえるように製作者・販売者は折衝していってほしい。だからこそ、本作のローカライズについては、プラットフォーマ―としてSCEには頑張ってほしかった。

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しかしながら、SCEのゲーム開発の総責任者とも言える吉田氏が語る通り、映画のように「役者が演じる物語を観る」だけでなく、本作のように「役者を操って物語を作る」という段階までゲームの幅は広がってきており、シネマチックでインタラクティブなドラマというジャンルは現世代機で飛躍しそうな予感はする。

ということで、本作は『ヘビーレイン』のようなサイコスリラーなアドベンチャーゲームや『スクリーム』のようなスラッシャーホラー映画が好きな方にはオススメできるが、規制された暗転シーン以外にもモロに臓物が映ったり、ショッキングなシーンもあるので、そういった耐性が無い方は誰かと一緒にプレイした方が良いかも。


↓印象的なテーマソング

youtu.be


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↓本作がPS3でリリース予定だった際のアナウンストレーラー。衝撃的なあのシーンは当時から盛り込むつもりだった模様。


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Until Dawn -惨劇の山荘- 【CEROレーティング「Z」】

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