『DARK SOULS Ⅲ』のレビュー。
【レビュー時のプレイ時間】 100h
<総合評価> 4.3 / 5.0
(項目) | 独創性 | 映像性 | 音楽性 | 操作性 | 熱中度 |
(評点) | 3.0 | 4.0 | 5.0 | 4.5 | 5.0 |
【いいね!】
- すでに初作の『Demon's Souls』から完成度が高かったシリーズのため、シリーズ最終作である今作も揺るぎない面白さ。「死にながら敵の攻略パターンを覚える」という昔気質のハードなスタイルは今作においても健在であり、初見ではズタボロにされた相手に対しても何度も挑むうちに余裕を持って勝てたりする達成感はやはり格別。昨今、本シリーズにインスピレーションを受けたフォロワー作品も増えてきた中で、オリジナルが持つ陰鬱で美しい世界観と優れたアクション性の両立はまさに唯一無二の存在。なお、ナンバリング作品ながら前作を遊んでいないと十分に楽しめないといったことはないので、今作から挑戦しても何ら不都合はない。(もちろん、過去作から登場キャラやステージ、関連を匂わせるテキストなど、ファンをにやりとさせる演出は散りばめられている)
- 現世代機における同開発元の『Bloodborne』同様に、リッチなグラフィック表現で描かれるダークファンタジーの雰囲気は魅力的であり、各ボス戦前などに挿入される短くも印象的なカットシーンは必要以上に物事が語られない中でプレイヤーの想像や推察を掻き立ててくれる。また、各ボス戦におけるBGMもいつも通りに荘厳で素晴らしく、ボス戦自体の緊張感も相まって否が応でも気分が昂まる。
- 今作から新たに武器固有アクションの「戦技」が追加されたものの、ボタンアクションは適切に割り振られており、過去作通りに違和感なく快適に動かせる。プレイヤースキルが直接的にゲームへ反映され、一瞬の操作ミスによって生死を分ける場面も多々起こりうるので、こうした直感的でスムースな操作性は本シリーズに欠かせない要素。『Bloodborne』で導入されたタッチパッドからのクイックメニューも使いやすく、装備と別にアイテムをセットしておけるのはかなり便利。
【残念!】
- 協力プレイでもボスの行動パターンは変わらないため、ヘイトの分散によりタコ殴りにして瞬殺できるバランスは相変わらず。協力プレイが救済策となっている面で調整は難しいかもしれないが、人数によってボスの戦法変化やギミック追加など、もう一工夫欲しかったところ。
- 前世代機よりは大分マシにはなっているものの、協力・対人ともにラグ(同期ずれ?)が目に付く。
★総評
今作を持って『DARK SOULS』シリーズは完結ということで、口コミで評判となった初代『Demon's Souls』からの一連の流れが終わるかと思うと残念な気持ち。「難しいことが面白い」と思わせてくれるゲーム体験は稀有なものだったし、アートワーク・キャラクター・音楽ともに一貫したセンスのある作品群だった。昔から万人受けはしないけれども尖った面白さを持つ作品(賞賛の言葉!)を生んできたフロムだけに、次の大型IPがどのようなものになるのか、今から楽しみ。
ちなみに、来月と来年初頭にDLCが2本予定されていることもあり、慣例からすれば恐らく来年春〜秋頃には全部入りの完全版がリリースされるんだろうな。