発売日 | 2016年11月2日 |
ジャンル | アドベンチャー |
開発元 | Double Fine Productions |
『Grim Fandango Remastered』のレビュー。
レビューの観点
愉快なストーリーと個性際立つボイスアクト
オリジナルは20年以上前にリリースされ、アドベンチャーゲームとして高い評価を受けた作品ということもあり、死神営業マンであるマニーの奮闘ぶりとユニークなキャラクターたちの関わり合いは今でも十分面白い。
はじめは利己的だったマニーがやがて正義のヒーローのように冥界の不正を暴いていく姿は痛快な上、ブラックなジョークと軽妙なセリフの応酬には思わず笑ってしまう場面も多い。
また、各キャラクターのボイスアクトが素晴らしく、特にグロティスやチェピートの歌、働きバチたちのシュプレヒコールといったシーンはミュージカルのように聴き入ってしまうほどクオリティが高い。
濃すぎるキャラクターしか登場しない本作において、その強烈な個性を表現する演技が優れている点も本作が名作と言われる所以なのだと思わされた。
ゲームにブレーキをかける操作性と謎解き
しかしながら、アドベンチャーゲームに欠かせないマップの探索を行う際の操作性(※)が悪く、リマスターされてもオブジェクトとの遠近感が掴みにくいことも多い。
急なカメラの切り替わりによってキー入力と進行方向があやふやになることもあり、調べたいところをピンポイントに調べられないもどかしさが付いて回る。
それに、取得したアイテムを使って謎を解く際のヒントが乏しいこともゲームデザインの不親切さを感じるところで、攻略サイトに頼らずにクリアしようと思うと骨が折れる。
旧世代の作品であることを考慮しても、お世辞にも遊びやすいゲームとは言えない。
(※)リマスター仕様で現代的な3D操作もできるようなので、トロフィー獲得のために “タンクコントロール” を選択しなければ、大幅にプレイしやすくなると思われる。
総評
トロフィー獲得のために操作タイプを変更して遊び始めた直後はストレスも多かったが、しばらくして操作に慣れた後はマニーたちのコメディ模様を大いに楽しませてもらった。
冴えないように見えて、いざという時にスマートな機転を利かすマニーはとても魅力的なキャラクターであり、スッキリ終わるストーリーの読後感ならぬプレイ後感も気持ちがよい。