【レビュー #107】Tearaway PlayStation 4【PS4】

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発売日 2015年10月1日
ジャンル アクションアドベンチャー
開発元 Media Molecule

『Tearaway PlayStation 4』のレビュー。

レビューの観点

紙の世界で神になるお話し

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キャラクターや背景がすべて紙でできた世界が舞台であり、その世界でとある使命を与えられた “テガミ” をプレイヤーがカミサマとなってサポートするというお話し。

どんなゲームでも構造的には、画面の向こう側でコントローラーを握りキャラクターの命運やストーリーの展開を左右するプレイヤーの存在は “神” のようであるが、本作ではそれを子供でも理解できるような仕掛けやアクションとして明示的に組み込んでいるのがユニークで面白い点。

ゲーム内のキャラクターと双方向的な会話を楽しむような直接的なコミュニケーション要素は無いものの、プレイヤー=カミサマという視点を上手く用いながら、プレイしているうちにゲームとプレイヤーの “距離感” が自然と縮まるような演出とアプローチはとても見事。

VITA版から大幅にボリュームアップ

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本作は2013年に発売されたオリジナルのVITA版をもとに、ステージの追加やシナリオの再構築が行われており、単なる移植にとどまらない大幅なリメイクとなっている。

続編と言っても過言ではないほどにボリュームアップした内容に、以前VITA版をプレイした身としてもかなり新鮮な気持ちで遊ぶことができた。

mygamelife.hatenablog.jp


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また、PS4向けにギミックの最適化も行われており、タッチパッドやライトバー、モーションセンサーを使ったアクションはVITA版同様に直感的で楽しい。

多くのPS4ゲームでタッチパッドやモーションセンサーはゲームの補助(マップ表示やショートカット)として採用されていることが多い中、ゲームに必要な操作として違和感なく盛り込まれているのは、さすがファースト傘下のスタジオ製といったところ。

カメラ視点のぎこちなさは相変わらず

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不満な点としては、VITA版同様にカメラ視点が固定されて奥行きが掴みづらかったり、急に旋回して方向を見失ったりする場面のあることが挙げられる。

ゲームオーバーという概念はなく、小刻みなチェックポイントからいくらでもやり直しできる仕様とはいえ、飛び石を渡っていくようなプラットフォーマーなアクションも多いので、PS4版ではもうちょっとカメラの改善を望みたかった。

総評

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作品としてはVITA版と変わらない独創性と面白さを両立させており、絵本や紙工作といった童心を思い起こさせてくれるゲーム内の仕掛けによって、性別・年齢問わず多くの方が楽しめるものと思われる。

getnews.jp

そういえば、VITA版発売時には日本版のプロモーションとしてノッポさんが起用されていたっけ。色んな意味で懐かしい…。