#163『HEAVY RAIN-心の軋むとき-』


心を軋ませるスリリングなサイコサスペンス

PlayStation Starsのキャンペーン「聴いてみて/1994」のお題クリア目的で起動したついでにプレイ。オリジナル版は体験済みのためトロフィーを確認したところ、プレイ日は12年前(!)であることに驚愕。

開発元の近作であり傑作『DETROIT』をプレイした後ではゲーム部分で洗練されていない点は目につくものの、降り止まない雨中で繰り広げられる痛烈なサスペンスドラマのシナリオは、今なお胸に迫る。窮地の息子を助けるべく、自らの身を犠牲にしつつ奔走する父イーサンの行く末はプレイヤーのQTE操作と選択に委ねられており、コンティニューの無い物語はノンストップで進行していく。

苦境を乗り越え、イーサンらが新しい一歩を踏み出すポジティブなエピローグを迎えられればプレイヤーの心も救われる一方、キャラクターごとに用意されている後味の悪いブラックな物語の閉じられ方も、個人的には本作の見どころだと思っている。

#162『DEATHLOOP』


ARKANEらしいプレイ感のローグライト

ベセスダがMSに買収されたことで、本作のフリープレイは無いだろうと思っていたが、PS5の時限独占が切れるタイミングでゲームカタログに追加されるとのニュースを聞いてからは、解禁日を心待ちにしていた。

DISHONORED』『PREY』を思い起こさせるユニークな超能力、ターゲットを始末する複数の手段と細かく探索したくなるレベルデザイン、レトロポップで特徴的なアートスタイルなど、本作もARKANEらしいセンスに満ちており、プレイ前はループすると装備や能力がリセットされるシビアさに身構えていた点も、ストーリーラインに沿ってゲームを進めるだけで十分な装備・能力の恒久アンロックは可能であったため、抱いていた不安は杞憂と知った。(ただし、色々とアンロックしようとすると、ループの周回が必要にはなるけれど。)

一人称視点のシューター、アクションが好きで、一風異なるローグライトに興味のある方へお勧めしたい作品。

#161『春ゆきてレトロチカ』


美しい実写ドラマが紡ぐ100年の謎に挑む

スクエニが実写映像とミステリアドベンチャーを組み合わせたゲームを送り出すという物珍しさや『428』のクリエイターの方が携わっているということに興味を持っていたので、セールを機に購入。

コロナ禍での撮影によるものか、映像パートでの全体的な登場役者数は限られているものの、マルチロールという演出を用いることで同じ面々でも時代ごとにがらりと演じるキャラクターが変わるため、彼・彼女の行動が読めないドラマは最後まで飽きの来ないミステリを提供してくれている。

推理編では自信が持てなくとも、主人公が “論理の路” を整えつつ答えに近づいていくので、それに乗っかりながらロジックや言動を吟味すれば、自ずと筋は見えてくる。公式の説明通り、ヒントはフェアに映像内に用意されているので、ドラマはじっくりと鑑賞すべし。

なお、『街』『428』のように選択肢によって(主にネタ方向に)大きく振れる作品ではないので、その点はご理解を。

#160『TOEM』

今月のフリープレイで配信されている写真撮影アドベンチャー。開発はスウェーデンのインディースタジオとのことで、作風からどことなく北欧っぽさも。数時間のゲームボリュームなのでテキスト量は多くないが、ローカライズされた翻訳やフォントはリラックスしたゲームの雰囲気と馴染んでいる。

各所で与えられるユニークなクエスト(お題写真)をこなすため頻繁にマップを行き来することになっても、ストレス無いロードや整理されてレスポンスの良いインターフェースのおかげで気持ちよく遊べる。作品規模が小さいとはいえ、細かいところまで気を配っている丁寧な作りは好印象。

カメラ片手にふらっと近所を散歩するような気安さで遊べる、寛ぐ作品。

#159『セインツロウ ザ・サード:リマスタード』

同ジャンルの『GTA』は過去に数作購入したものの操作感や挙動がしっくり来ず、いずれも数時間でプレイを放棄していたが、本作の軽快でカジュアルな感覚は自分に合っており、オリジナルは2世代前の作品とはいえ、久々のオープンワールドクライムアクションを楽しめた。

シリーズは初プレイなため、前作からのストーリーやキャラクターは把握していないけれど、『バカゲー』『ギャグゲー』へ振り切った本作の本質はハチャメチャでアブノーマルなゲームプレイにあると思われるので、好き放題に暴れまわっているだけで十分に満足。

暴虐に対して警察や敵対ギャングの警戒度が上がり、最終的にはヘリや戦車に追われるのはこうしたゲームのお約束だが、本作は特別なスキルなどを要せずとも自分のアジトや購入した商業店舗に逃げ込めば瞬時に警戒度がリセットされ、今まで追いかけ回していたプレイヤーを一瞬で忘れてくれる気楽な仕様は本作のハイテンションなノリを崩さない。

各所の指摘通りストーリー中盤以降に登場する某キャラクターのテクスチャがバグっていたり、警戒度が高まった状態で敵やオブジェクトの描画が多くなるとアプリエラーが起きやすかったりとクオリティ面に不安があるのも事実だが、それらを差し引いてもここまで“自由”なクライムアクションは他に代え難い。