#158『龍が如く7 光と闇の行方 インターナショナル』

龍が如く』シリーズは初作のみプレイ。アクションからRPGへジャンルを変え、新たな主人公となった本作には興味を持っていたので、フリープレイ提供と同時にプレイ開始。

登場人物の大半が“裏社会”の人間ながらも、社会的な弱者を虐げる権力や私欲のために覆い隠される不正義へ敢然と立ち向かうストーリーは、骨太でアツい。一方で、際どいメタネタ、パロディネタを存分に練り込んだ各種サブストーリーやアクティビティはメインストーリーとは別の意味で濃く、勢いあるストレートとクセの強い変化球を絡めた内容は『龍が如く』という作品がどういったものであったかを久しぶりに思い出させてくれた。

RPGとしてはオーソドックスなターン制コマンドバトルで、尖った見た目に反して馴染みやすい作り。キャラクターレベルの他にジョブレベルがあり、ジョブ毎のスキル習得やステータスアップによるキャラクター強化といったやり込み要素もある。

7作目のナンバリング作品でありながらも、大胆に衣替えしたおかげで『龍が如く』というブランドの新しい魅力を味わえると同時に、次作でシリーズが大きな転換を迎える予感も与えてくれる。

#157『プレイグ テイル -イノセンス-』

史実ではペストが蔓延していた中世フランスを舞台に、若き姉弟の悲痛な逃亡劇と運命への対峙を描く物語。ゲーム内では黒死病そのものの恐怖というよりも、疫病の媒介となったといわれるネズミが「何者か」に操られて凶暴化し、人を喰らい、町を破壊するというダークファンタジー色の強い展開が描かれる。

ゲームは基本的にはステルス進行で、道中で修得する錬金術によって特殊な弾薬をクラフトし、重装備の敵を排除したり、ネズミが蠢く危険地帯を切り抜けたりしていく。一応、アミシアは遠距離武器のスリングショットを携帯しているが、時代相応の古典的な武器なので、普通のTPSのように敵を打倒していくというよりも、適切なタイミングでギミック的に使うものとなっている。

アミシア、ユーゴともに苦難の中で協力者を得ながら人間的に成長し、自分たちの意思と決意を抱きながら厄災の元凶へと立ち向かっていく健気な姿に心が打たれる。道中でユーゴがアミシアのために摘む花のように、凄惨な世界の中で逞しく咲く姉弟愛が美しい作品。

#156『Stray』

発表時からサイバーパンク×猫という設定に興味津々だった本作。PSPLUSのエクストラ会員以上であれば発売と同時にゲームカタログへ追加されるとのことから、これを機に丁度1年ほど残っている期間をエッセンシャルからアップグレード。

擬人化されたキャラクターではなく、動物としての猫を自由に動かせるアクションはなかなか新鮮で、こだわりを感じさせる猫らしいしなやかな動きや、ゲーム的な効果は一切ない中で各所でガリガリ爪を研いだり、居心地良さそうな場所を見つけて居眠りしたりと、猫好きとしては仕草を眺めているだけでもニヤニヤしてしまう。

物語ではタイトル通り不意に迷い込んでしまったうらぶれたサイバーパンクな世界から、元の場所へ帰るための名もなき猫の冒険を描いており、言葉を持たない猫と機械であるアンドロイド達の不思議な交流が温かな余韻(と考察を促す謎)を残してくれる。

GOTYを獲るような大作ではないとしても、個人的には今年を代表する1本と言えるくらい印象的で素敵な作品。

#155『MANEATER』

ビフォー/アフター

敵対するクリーチャーとして襲いかかるサメと戦うのではなく、自らがサメとなって魚や動物(人)をバクバク捕食し、デカくなり、強くなっていくゲーム。理屈は一切不明だが、電気を放ったり、毒を撒いたり、回転刃のような外骨格を身につけたり、DLCの追加クエストでは口からレーザービームを吐いて戦闘艦や軍用ヘリを駆逐したりと、トンでも進化を遂げるサメの姿は他では見られない。

『白鯨』と『ジョーズ』をB級センスで混ぜ合わせたようなストーリーは、“サメとして暴れまわる”というそれ以上でも以下でもない体験への添え物としてもピッタリ。全体的にネタ感たっぷりの雰囲気ではあるが、ゲームとして一定の完成度は保持しており、公式が本作を#SHARKPG(サメRPG)と表現していることからも、サメというロールをプレイングできる稀有な作品。

#154『FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE』

いよいよ発表されたリメイク続編『REBIRTH』のこともあり、アップグレード&DLC購入していた本作を起動。

DLCで追加となった「ユフィ編」は2章のみと短いものの、ユフィの挙動は本編の4人とは異なる操作感で新鮮なうえ、破天荒な“先輩”を支えるソノンとの掛け合い(とラストシーン)はリメイクシリーズにおけるユフィというキャラクターのプロローグとして、ボリューム以上に見応えのある物語が用意されていた。

本作では「移行段階」という言葉がタイトルに加わり、DLCは「幕間」と銘打たれている通り『REMAKE』と『REBIRTH』をつなぐものとなっており、本編エンディング後のクラウド達の様子のほか、ファンの知らない展開で再び“彼”が登場するなど、予想外に重要なシーンも収められている。個人的には、リメイクシリーズでは『FF7』の再構築を推し進めて、馴染みあるキャラクターに見たことのないストーリーを紡いでほしいので、次作がどのようにアレンジされるのか、来冬を楽しみに待ちたい。