【レビュー #34】善人シボウデス

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評価 6.8 / 10 (プレイ環境:日本DL版)

独創性 映像性 音楽性 操作性 熱中度
4 3 4 2 4 / 5
脱出=謎解き=スッキリ!

もともとノベルゲー、アドベンチャーゲーが好きなので、PSplusのフリープレイで本作を遊べたのは嬉しかった。

本ゲーム内ではノベルパートと脱出パートの2つに分かれ、後者のパートは閉じ込められた空間内で手がかりを探し、脱出を図るというもの。それらは殺人のトリックや人物のアリバイを調べるようなものでは無く、様々なパズルを解く謎解きなので自力で解法できたときは頭もスッキリ。

ただし、本作は3DSとのマルチプラットフォーム作品なので、操作面でやや不十分な点も散見する。
例えば、パズルを解くためのヒント(ファイル)を参照する際にいちいち画面を切替えなければならず、またその画面切替のレスポンスも良ろしくない。3DSであれば下画面を使って常時開いていられるようだが、VITAにおいてはもう少しインターフェースを練ってほしかった。
それと、ゲーム上でメモを取るにもタッチペンが付属しないVITAでは書き辛く、素直に紙のメモ帳とペンを用意した方が捗るのももどかしい。

前作の存在とシリーズの完結について

本作では他のアドベンチャーゲームにも搭載されている「フロー(物語の時系列的な流れ)」をプレイヤーが自在に遡れることを巧みに物語に取り込んでいる。ネタバレになるので深くは書かないが、プレイヤーが物語の時間軸を自由に行き来していることをゲーム内の人物たちは知らないというゲーム的な前提を崩しにかかっているのが非常に興味深い。(こうした企みは過去の作品にも見られるとは思うが)

なお、本作は過去にDSでリリースされた『9時間9人9の扉』の事実上の続編でありながら、エンディングを持ってしても多くの謎は残ったままになっている。意図的に『極限脱出』シリーズの完結を次作に持ち越していると思うのだが、今回のフリープレイ提供の目的は、近々新作発表があるからだったりして…。

とは言え、本作だけでも一応の区切りは付いているので、携帯機と相性の良いノベルゲー、アドベンチャーゲーをプレイしたい方にはおすすめ。物理学にまつわる教養がある方やSF系の作品が好きな方なら一層楽しめるはず。

★プラチナトロフィー獲得

通算58個目のプラチナトロフィー。
ノベルゲーなので基本的には物語を読み進めていくだけで取得可能。
本作の真エンディングを迎えた頃には、ちょうどプラチナに手が届くはず。