【レビュー #40 / PS3】Far Cry 3

総合評価 9.2 / 10  (プレイ環境:日本版)

独創性 映像性 音楽性 操作性 熱中度
4 5 4 5 5
ー開放感あふれる島で狂気のサバイバルー

本作の舞台となるルークアイランドがとにかく美しい。生い茂るジャングル、透き通る海、丘から眺める夕陽、満点の星空、生き生きと活動する野生動物、そして神秘的な先住民…。まるで不思議の国へ迷い込んだアリスの如くひたすら好奇心を駆り立てられる光景は、本作ならではの大きな魅力。ただし、あまりに熱中し過ぎてしまうとあるべき姿を見失ってしまうのでご注意を。

FPSストーリーテリングの見事な融合ー

また、本作は他のFPS作品とは異なる高揚感をプレイヤーに与えてくれる。それは、銃を撃った事も無い青年が初めて人を殺し、野生動物の皮を剥ぎながら「戦士」として覚醒していく過程を目にする事によって生まれるもので、劇中終盤において「趣味は狩りです」と言ってのけるほどたくましくなった主人公の姿はコントローラーを握るプレイヤーの心情とがっちりリンクする。作り込まれた素晴らしいオープンワールドは、派手な演出によってプレイヤーをヒーローに仕立てるのではなく、あくまでもプレイヤー自身の主体的な行動が島と自分自身に変化を起こしている事を実感させてくれる舞台として相応しく、ゲームへの高い没入感がウリのFPSの中でもここまでどっぷりと物語へ引き込まれるストーリーテリングは実にお見事。レスポンスの良い快適なFPS操作も相まって、ゲームとして極上のクオリティを誇っている。満足。


ー評ー

クリア後にストーリー考察(「Far Cry 3 暴力の国のゲーマー」地球には帰りません)を読む事で更に本作の痛快さを思い知った。と同時に、常にプレイヤー自身が突き動かされるような衝動を感じていたのはこうした思惑が潜んでいたからであると妙に納得もできた。完成されたシューターでありながら極めてナラティブな本作は、コアゲーマー・ライトゲーマー問わずある意味でドラッグのように中毒性のある危険な作品になるかも(笑)

なお、物足りない点としてはクラフト要素をもう少し拡張して欲しかった。せっかく多くの野生動物がいるのにも関わらず、ゲーム中盤には作れるものはあらかた完成してしまい、それ以降は動物を狩る意味が薄れてしまっている。マルチプレイで必要になるアイテムや装備をオフラインで調達して作成みたいな流れにすれば、より長く本作を楽しめるようになったかもしれないかな。

それと余談だが、『Far Cry』の一作目はかのCrytekが手掛けていたのね。道理で島の雰囲気が『Crysis』を彷彿とさせる訳だ。過去作も単なるFPS作品ではなかったようなので、機会があれば前作も遊んでみようかな。

ファークライ3 【CEROレーティング「Z」】 - PS3

ファークライ3 【CEROレーティング「Z」】 - PS3

  • 発売日: 2013/03/07
  • メディア: Video Game


ープラチナトロフィー獲得ー

通算63個目のプラチナトロフィー。

難易度指定のトロフィーは無く、本編難易度もプレイ中にいつでも変更可能なためお手軽。また、オープンワールドゲーム特有の収集物は本編クリア後でも回収可能なため、焦る必要も無い。本作のレビュー(満足度)が高評価な理由として、本編そのものの没頭感に加え、ゲーム進行に合わせてストレス無くポンポンとトロフィーが集まる点も挙げられる気がする。