【レビュー #55】inFAMOUS Second Son

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【レビュー時のプレイ時間】25h

<総合評価> 4.4 / 5

独創性 映像性 音楽性 操作性 熱中度
4 5 4 5 4 各/5点中
良い点 +
  • PS4の性能を生かし、次世代感をたっぷりと味わわせてくれる美麗なグラフィック。特に、デルシンのリアルな表情と遠景まで美しいシアトルの街並は圧巻の描写。煙になって疾走する様や街中のネオンサインからパワーを吸収するときのエフェクトも非常に優雅。搭載されたフォトモードで手軽にクールなスクリーンショットを撮れるのも魅力。
  • シリーズを通して継承されているカルマシステムがこれまで以上に機能している。思うがままにパワーを振りかざしてプレイすれば図らずとも一般市民を傷付けてしまうため、プレイヤー自身が破壊的なデルシンの能力を自制する姿は、ゲーム内のヒロイックなキャラクター像と重なる。一方で、タイトル通りの悪名高いプレイをし続ければ、容赦無いエンディングが待つ。過去作にも増して善と悪の振れ幅が大きく、どちらの色に染まるデルシンの結末も見届ける価値はある。
  • 3つの能力どれもが個性的かつダイナミックで、デルシンを動かしているだけで爽快感がある。シンプルな操作性、敵への当り判定の大きさやある程度追尾してくれる攻撃モーションなど、アクションが苦手なプレイヤーでも気軽に楽しめる仕上がりなので、PS4の同時購入タイトルとしても最適。
  • DUALSHOCK4を生かしたステンシルアートは、地味ながら楽しい。
悪い点 -
  • 街並の描写のクオリティは高くオブジェクトの密度も濃いが、マップ全体はさほど広くない。また、メインシナリオのボリュームも多いとは言えないため、サブミッションをスルーしてしまうと物足りなさを感じるかも。ただ、ストーリー自体は終盤の盛り上がりを含めてコンパクトに良くまとまっているため、あまり時間をかけずにスカッとゲームを遊びたいならばむしろ好都合。
  • クリア後の楽しみが少ない。エンディングを迎えてしまうと、オープンワールド系ゲームお決まりのサブミッションの消化程度しかなく、せっかくのクオリティがもったいない。街を走り回っているだけで楽しいとは言え、もう少しやり込み要素が欲しかったところ。
  • DLC「コールの遺産」は肩透かし。なつかしのアノ人の再登場には嬉しさもありつつ、ミッション全体の平板さには不満を感じる過去作経験者も多いはず。今後、スタンドアロン的な巨大なDLCが予定されているのかもしれないが、本編のボリュームを補うためにも、もう少しやり甲斐のあるミッションであれば良かった。


総評

グラフィックやサウンドに関しては期待を裏切らない完成度。PS4の(海外)ロンチから半年を待たずしてこれだけの作品が発売されたことは、PS4の持つポテンシャルと可能性への期待を大いに高めてくれる。

Naughty Dogが『UNCHARTED』を通じてデベロッパーとして飛躍したのと同様に、Sucker Punchもこの『inFAMOUS』によって確固たる地位を築いたので、今世代では別ジャンル郡の作品や新しいアクションIPなど、もっともっと多くのタイトルを世に送り出してくれることを心待ちにしている。

そう言えば、開発者インタビューか何かで、『inFAMOUS』をUBIの『アサシンクリード』シリーズのように、共通のユニバースやコンセプトを持ちながらコンスタントにリリースできるようなタイトルにしていきたいと語っていたような…。