【レビュー #58】Minecraft : PlayStation3 Edition

【レビュー時のプレイ時間】 100h超?

<総合評価> 4.8 / 5

独創性 映像性 音楽性 操作性 熱中度
5 4 5 5 5 各/5点中
良い点 +
  • 懐かしさを感じさせる2Dドット風な世界観にハマる。ハイスペック化するPCや家庭用コンソールにおけるグラフィックの急進的な進化に対して逆行するようなアプローチはインディー作品ならでは(売上規模は大手のAAA作品並だけども)。FPS視点とTPS視点を瞬時に変えられ、主観視点が苦手な人でも遊び易い工夫も気が利いている。
  • RPGらしく未開の地下ダンジョンを探索するも良し、酪農や農業に勤しむも良し、アーキテクトとして素晴らしい建築を試みるも良し…といった幅広い遊び方ができる作品。PC版に比べるとワールドの広さは大きく劣るものの、それでも地下深くに眠るレア鉱物を採掘したり、自分好みの家を建てるだけでもアッという間に100時間を超えてしまう中毒性を内包している。幼い頃にLEGOなどのブロック遊びが好きだったプレイヤーは、本作が楽しくて仕方無いハズ。
  • クラフトに夢中になっているプレイヤーを妨げることなく、控えめで且つ心を落ち着かせてくれるような優しい音楽が素敵。また、土や石を掘る時の効果音、経験値ボールの取得音も心地よく、あまり作業感を感じずにプレイできるのはこうしたサウンドエフェクトの効果が大きい。ゲームへの没入感はリアルさだけではないことをつくづく実感させられる。
  • 集めた素材を元に様々な工作ができる点もワクワクする。「○○を作りたいから、■■を探しに行かなきゃ」といった素直なモチベーションを喚起させてくれるので、ゲーム的な押し付けや拘束感が全く無い。RPGの持つ本来の魅力とはこういったことではなかったか。
  • マルチプレイが楽しい。探検、収集、ものづくりを一緒にまったりと堪能できるので、テクニックやスコアに囚われるゲームを遊んで疲れたときには最適なゲーム。
悪い点 -
  • 頻発する訳では無いが、マルチプレイ時に発生するバグに腰を折られる。


総評

全世界で驚異的なセールスを記録している作品をようやく遊び、今更ながらその魅力の虜になった。プレイヤーに与えられた使命(=自由)は、意味深なエンディングが語る様に正に「世界を創る」ことであり、日常から切り離された非日常性を楽しむゲームとしての価値を存分に味わわせてくれる。アイデア的には現世代機や高スペックなPCの登場を待たずに実現できた作品かもしれないが、リアルで現実的な作品・シリアスで物語が主導する作品がAAAとして多く生み出される現状に対し、ゲームの持つ面白さを素朴に伝えてくれる本作の存在は貴重であり、コア・ライト問わず多くのプレイヤーに共感されている事実は興味深い。

来月には文字通り世界が拡張されたPS4版がリリースされるので、私自身のクラフト生活はまだまだ続きそうな予感。

(それにしても、唐突な日本版リリースは腑に落ちないなあ。これだけの話題を集める作品なら事前告知&発売後にWhat's Newでも散々取り上げても良いはずなのに…)

Minecraft PlayStation 3 Edition (輸入版:北米) - PS3

Minecraft PlayStation 3 Edition (輸入版:北米) - PS3

  • 発売日: 2014/05/16
  • メディア: Video Game