【レビュー時のプレイ時間】 120h(完全オフライン)
<総合評価> 3.8 / 5
独創性 | 映像性 | 音楽性 | 操作性 | 熱中度 | |
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3 | 4 | 4 | 4 | 4 | 各/5点中 |
【良い点】
“「死んで覚える」重要性は相変わらず”
『ソウル』シリーズ伝統の死んで覚える重要性は今作でも相変わらず。初作からプレイし続けているプレイヤーにとっては何度も繰り返し死に続けるシチュエーションは少なくなっているとはいえ、理不尽なように思える死も観察と経験によって打破できる達成感はやはり健在。この特有のフォーミュラがコアなプレイヤーを惹き付ける魅力のひとつになっているのは間違いない。
“ナンバリングながら初心者にも遊び易いつくり”
今作においては生者・亡者問わず他プレイヤーの侵入を受けるためか、救済的なアイテムが用意されているのでシリーズに不慣れなプレイヤーへの配慮も優しい。また、前作まではプレイスタイルを変更するためにはキャラクターを作り直さなければならなかったが、今作ではステータスの振り直しが気軽にできるようになったため、何度も周回するモチベーションや、より自由なキャラクターメイキングが可能となっている。個人的に、こうした点は作品の持つ面白みを損ねるものでは全く無いと思うので、今後のシリーズでも搭載されると嬉しい。
それと、武器の強化も前作・前々作ほどシビアではなく、最終強化用の原盤等も多量に手に入るため、色んな武器を使ってみたいという要望も満たしてくれる点も好評価(有り難みが無くなったとも言えるかもしれないけど)。
【悪い点】
“攻略する楽しさは変わらずも冒険心は昂らず”
未知のマップを敵の猛攻を搔い潜りながら攻略していく楽しさは健在なのだが、特徴の無いボスやステージとステージをつなぐ経路なだけのマップも増え、これまでの作品と比べると「進みたいけど進みたくない」というジリジリとした冒険心はあまり涌き起こってこない。シリーズならではのクセのあるキャラクターやセリフも多いものの、デモンズや前作のインパクトに比べると印象に残るものは少ない。
オフラインでの闇霊NPCの侵入イベントも、オンラインのそれの様に途端に緊張感が高まるほどのものではなく、どうせならオフライン限定の強固な個体が配置されるといった変化の方がメリハリが付いたのではないだろうか。
【総評】
PS4の期待作『Bloodborne』の情報が増えてきたので、購入後放置していた今作をようやくプレイ。一度プレイを始めると、その骨太な難易度とダークな世界観にどっぷりとハマる。惜しむらくは、今作の発表当初に噂されたようにPS4上で遊びたかったこと。シリーズの持つ絶望的な雰囲気が魅力の作品なので、表現力が向上したプラットフォームの恩恵は大きいはず。そうした意味でも、来年の『Bloodborne』はシリーズの新しい幕開けとなることを期待したい。
ちなみに、先日のgamescomで公開されたプレイ動画を見る限り、やはり『Bloodborne』の操作性はデモンズに近いっぽい。バンナムと組んだ『ダークソウル』シリーズも後継作品としてしっかりとシステムを構築できているので、フロムソフトウェアとしては今世代においてもソニー・バンナムを使い分けながら硬派な作品を生み出していくのだろうか。