【レビュー #79】ディビジョン(v1.02現在)

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『ディビジョン』のレビュー。

【レビュー時のプレイ時間】 80h
<総合評価> 3.6 / 5

(項目) 独創性 映像性 音楽性 操作性 熱中度
(評点/5点) 3 4 3 4 4
いいね!
  • パンデミックにより荒廃したリアルな真冬のニューヨークを舞台にしながら、TPSをベースとしたアクション性の強いRPG要素と、トムクランシーブランド特有の国家危機や軍事性のリアルさを描く物語を上手く融合している。プレイヤーが日常的には一般市民として生活を送る「ディビジョン」という設定も、ロールプレイング感があってストーリーへの主体的な関わりを促してくれる。
  • TPS(カバーシューター)として、同社の他IPで練られた操作性を上手く持ち込んでいる。カバー間の移動もスムーズであり、味方が敵を制圧(サプレッション)している間に側面に回り込んで攻撃するといった戦術的な戦い方もできる。
おしい!
  • 全体的なゲームデザインが単調。基本的には、ひたすら遮蔽物に隠れながら銃撃するだけあり、ミッションの展開も同じようなタイプの敵の増援がわらわら→やたら硬いボスの登場といったパターンばかり。装備するスキルによってはクラス制のような個性を出すことは可能ながら、長らくハマっている『Destiny』ほど明確な性能差(役割分担)は感じられない。また、ベータテストの時よりはフリーローム中に出くわす敵の数は増えたものの、現状ではまだまだオープンワールドとしてのアクティビティとして物足りず、街を散策する楽しさもあまりない。
  • 多様な人種(言語)が住まうニューヨークを表現したかったのかもしれないが、日本語吹き替えでの関西弁はものすごい違和感。日本が舞台の『龍が如く』であれば全く問題無いのだが、ニューヨークのそこら中で「背中がアホみたいになっとるわ」といったセリフを聞くのはちょっと(笑)
  • UIやシステムにもう少し配慮がほしい。例えば、新しく手に入れた装備と手持ちの装備(MOD付き)の性能比較が分かり辛かったり、装備のスキル説明がスクロールしないと一覧できなかったり、外観を変える服装のプレビューができなかったりと細かい部分で不親切な点が目につく。地味ながら、道中のアイテムボックスや弾薬クレートに一人ずつしかアクセスできないのも面倒臭い。
  • 未だにサーバーが不安定で、急な切断エラーやMOBのワープ、当たり判定の遅延、味方の挙動不審などが頻発している。加えて、バグも多く、それを突いたグリッチが横行し、運営とのイタチごっこになっているのも残念。次週には大規模なコンテンツアップデートが控えるのに、今のような状態で満足なプレイができるのか不安。

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★まとめ★

ベータテストに参加して購入を迷っていたが、発売日当日のPSstoreの20%割引キャンペーンにつられてゴールドエディションをポチり。ここまで遊んでみた感想としては、作品の持つポテンシャルの高さは感じさせるものの、調整や練り込み不足は否めないといった感じ。幸いにして、運営が毎週修正を施したり、ユーザーの声を拾い上げる努力をしているので、今後の改善次第ではより没頭できるタイトルへ進化する可能性は十分にある。

思い返せば、本作が参考にしたと言われる『Destiny』もローンチ後しばらくはバグやファーミングが話題になり、コンテンツの少なさも批判されていたが、今ではBungieがスタジオを挙げて取り組んでいるのに恥じないクオリティに仕上がっている(と私は感じている)。なので、UBI(Massive)も継続的に手を入れて、ユーザーが1年、2年と定着するような作品としてもらいたい。


<おまけ>

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プレイ中何度か発生した地面すり抜けバグ。
雲海のように地面のグラフィックがおかしくなってたり、特定の箇所を通過すると…

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こんな風に延々と落下し、やがて死亡する。
はあ…。