【レビュー #86】ウォッチドッグス2

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『ウォッチドッグス2』のレビュー。

発売日 2016年12月1日
ジャンル アクション

ネットワークに接続されたあらゆるものをハッキングし、大都市まるごとを味方に付けて戦うユニークなシリーズの2作目。復讐・仇討ちが物語の中心だった前作のシリアスな空気とは正反対の明るい雰囲気に驚くが、ITを通じて巧みに生活へ入り込んで社会・世論を操ろうとする組織の不正を暴き、自由を取り戻すというテーマは一貫して描かれている。

また、今作からは手にしたスマホ経由のハッキングだけでなく、自ら操作できるドローンからのハッキングも可能となっており、オペレーション中の立ち回り強化に加え、パズルやオープンワールド探索の良いアクセントにもなっている。

これにより、本シリーズならではのマルチプレイ体験である1vs1の「ハッキング侵入」においても、前作では相手の死角となる高所に潜んでいれば勝てることが多かったが、今作では飛行ドローンによって容易に見つかってしまうため、相手の操作するドローンを妨害したり、こちらがドローンで陽動したりといった駆け引きが増えていて更に面白くなっている。

それと、今作からは3種のマルチプレイそれぞれにシーズン毎の相対的なランク(取得ポイントによるディビジョン制)が設けられており、シーズン終了後にはランクに応じたリワードが貰え、ストーリークリア後も長く楽しめる。敗北や失敗によるペナルティや勝率・キルレシオなどの成績もなく、気兼ねなく自由に遊んでいける。

売り上げ的には新規IPとして多大なセールスを記録した前作ほどインパクトは無いようだが、カラフルで賑やかなサンフランシスコの風景とキャラクターのサブカル臭全開の愉快なやり取り、より柔軟になったハッキングアクションなど、全体として見れば馴染みやすいものとなっているので、シリーズ経験の有無を問わずオススメできる作品といえる。

満足な点
  • あらゆるものをハッキングできるユニークなゲームプレイ。
  • 開放感溢れる美しいサンフランシスコの風景。
  • 個性的かつ魅力的なキャラクター達。
  • オープンワールドと相性抜群のシームレスなマルチプレイ
  • 豊富な衣装カスタマイズ。
残念な点
  • ストーリーのクライマックス感が弱い。
  • 前作にあった多人数マルチプレイの削除。
評価
項目 独創性 映像性 音楽性 操作性 熱中度
評価(良:☆ ◎ ○ △)

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最後に

作品自体の面白さは期待に違わぬものであったが、作風としては前作のエイデンのダークな物語の方が好み。ただ、これはあくまでもプレイヤーそれぞれの趣味だし、ゲームとしては前作からバージョンアップした点も多く、優れた作品であることに変わりはない。
(『Far Cry』における『2』『3』の作品性の違いのような感じ。)

人気IPとなり、今後もシリーズは継続していくと思われるが、個人的な観点からすれば、PS4という技術的に限られたプラットフォームの中で「ハッキング」というアプローチの演出に大きな変化が無い限りは続編のリリースを焦ることは無いと思う。

同じくオープンワールドアクションでUbiの看板ともなった『アサシンクリード』もリブートが必要となるほど疲弊してしまった訳だし、衝撃的だった前作の初披露時のトレーラー並の表現ができるくらいの環境が整った時、改めて本シリーズの可能性を見てみたいところ。