【レビュー #99】Killing Floor 2

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発売日 2016年11月18日(日本未発売)
ジャンル ホラー/FPS
開発元 Tripwire Interactive

Killing Floor 2』(北米版)のレビュー。

激しいゴア表現が生む射撃の爽快感

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プレイヤーに襲いかかる Zed たちの弾け飛ぶ頭やもぎれた手足、純白の雪原を染め上げる夥しい鮮血といった激しいゴア表現が本作の要。ひとつひとつの描写を見れば不快な気持ちを抱きそうなものの、6人という少人数で100体以上の敵の猛攻を生き抜いた後、まるでスポーツの試合を終えたかのような清々しささえ感じてしまうのは、こうした過剰な表現に依る "手応え(敵を倒した実感)” の影響が大きい。

また、ヘッドショットや爆発で敵を倒すとランダムでスローモーションになるのもクールな演出。任意のアクションによって必ず発生させられるわけではないので過度の期待は禁物だが、眼前に迫っていた敵を既のところで一掃できた際の安堵感と爽快感はクセになる。

繰り返し遊べるシンプルな協力プレイ

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6人まで可能な協力プレイは、ひたすら敵を倒して最後まで生き残ることが目標で、複雑な謎解きやギミックは一切ない。ウェーブ中盤以降はひとりでは倒しにくい強力な敵も出現するため、皆が一箇所に留まって火力を集中させることから、自然と共闘感も生まれてくる。効率的な敵の倒し方やマップ毎のキャンプ場所といった攻略に有用な知識はあるが、高難易度でなければ気にしなくとも何とかなる。

さらに、10種類あるPerkはそれぞれ個性的で、どれを選ぶかによって扱える武器種や立ち回りが大きく変化する。頑強な肉体を生かして近接戦を挑もうとも、爆発物をばら撒こうとも、味方の回復に専念しようとも、プレイスタイルは自由。Perkそれぞれにプログレッションがあり、レベルを上げることでさらに役立つスキルを習得できるため、様々な戦い方を試すべく繰り返し遊んでしまう。

良質なマップデザインの中に感じる窮屈さ

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戦いの舞台となるマップはどれも作り込まれており雰囲気も異なるため、マップが変わるだけでも新鮮な気持ちでプレイできる。

しかし、各マップには上に乗ったり飛び越えたりできるオブジェクトが少なく(いかにも乗れそうな高さなのに見えない壁に阻まれる)、敵から逃げる場合にも直線的な移動しかできないため窮屈さを感じる。プレイヤーには段差や柵を乗り越えるアニメーションも用意されておらず、現状では前世代機レベルの動きしかできないのは残念。華麗なパルクールアクションまでは要求しないが、せめて乗り越え動作やスライディングくらいは欲しかった。

総評

本作が欧米でフリープレイとなることを知り、急遽北米PS Plusへ加入してプレイした結果、十分にその価値はあった。元は別ゲームのMODから派生した作品だと聞いていたが、Perk選択によってゲームプレイが大きく変わったり、銃火器の発砲音やリロードアニメーションがしっかりしていたりと予想以上に作り込まれている内容には驚きすらあり、ただ見た目がグロいだけのゲームという印象も覆された。

ゴア表現が苦手な方にとっては決してオススメできないが、モンスターの頭が血を吹き出しながら吹っ飛ぶくらいなんてことない方で協力プレイが好きな方なら、時間を費やせる作品だと思う。

※本作の英国版は日本語あり、北米版は日本語なし。
英語のままでもゲーム進行の流れを理解していれば困ることはない。ゲーム中に英語を読む機会は、Perkやスキルの説明とキャラクタープロフィールくらい。

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