#217『レイジングループ』

くくり、くくられ、をちなかれ。

人狼ゲームなるものに興味はありつつもマルチプレイ型の作品は敬遠していたため、取っ掛かりとして人狼ゲームを題材としたホラーサスペンスアドベンチャーとして評判の良い本作をプレイしてみる。

現代社会から隔絶された山村に伝わる信仰に人狼ゲームの特徴を練り込んだストーリーによって、劇中の“黄泉忌みの宴”の過程で人狼ゲームにおける立ち回りや心理戦を知ることができ、人狼ゲームの展開に詳しくない私にとっては、毎日ヒトが減っていく緊張感も伴いながら興味深くテキストを追うことができた。

選択肢による分岐の先に待つバッドエンドは必ずしも行き止まりではなく、エンドによっては状況を進展させる“キー”を入手できるシステムと、タイトル通り主人公が死ぬ度に記憶を保持しながら時間を巻き戻って“宴”の真実に迫るループものの設定がかみ合っており、発売から時間が経ってもカルト的人気を誇っている作品であることが理解できる面白さだった。