#196『十三機兵防衛圏』

骨太SFミステリ青春群像劇。

プレイを始めて間もなく、本作がゲームカタログから外れる直前であることに気付き、慌てて進める。

様々な時代に属する少年少女たちが関わりあう謎多き展開は、ゲーム内のTIPS解説だけではなかなか理解が追いつかないほど複層的で、ストーリーの全貌が見えてくる頃には想像以上にヘビーなSFの世界観に強く引き込まれていた。舞台の中心となる1980年代のノスタルジーな空気感を感じさせる淡く美しいビジュアル、多くの主人公格の登場人物がいながら “外れ” の無いキャラ造形も大きな魅力。

機兵を駆るバトルは、任意で高難易度に設定しない限りは程よい緊張感で遊びやすく、兵装やキャラクター固有のスキルを考慮した戦略の組み立てや、少ない被弾で効率的に敵目標を撃破した時の達成感にシミュレーションバトルならではの楽しさも味わえた。

観て考察する/操作して戦うパートが結びつき、その精緻な構成によって生み出される感動が心に残る作品だった。