『Contrast』簡易レビュー
発売日 | 2014年2月22日 |
開発元 | Compulsion Games |
ジャンル | アドベンチャー |
タイトル通り、光と影を上手く利用したパズルアクションはユニークで、大人びた雰囲気の暗がりな世界観に上手く溶け込んでいる。操作キャラクターであるドーンと、ドーンを導く女の子・ディディ以外の人物はすべて影絵とセリフのみで表現され実体感を感じにくいというのも、空想と現実の境目が不明瞭な物語の演出として面白い。
全体的に見て、作品のコンセプトとゲームプレイを上手く両立させており、少ないボリュームながらも印象深い体験を与えてくれた。
しかし、特定のパズルの解法がやや分かりづらいことや、ドーンの操作感がピーキーなこと、ストーリーに不明な点が残ることなど、細部での練りこみ不足は感じられる。
特に、海外レビューでも触れられている通り、ドーンの素性や本作の舞台となっている世界がどのように構築されているのかといった物語の核心はゲーム中のコレクティブルだけでは理解し辛く、もう少し丁寧な描写が欲しかった。
本作の持つポテンシャルは魅力的なだけに、ディディとドーンという、それこそ光と影のような対照的な両者の存在にもっとスポットライトを浴びせていれば、さらに評価される作品になり得たと感じる。