#177『Life is Strange 2』

前作とはキャラクターも舞台も異なる本作。とある事件をきっかけに始まる兄弟の逃避行の中で扱われるテーマは、移民問題、差別といったナイーブなものが加わり、マックスとクロエの友情と青春を描いた前作よりも踏み込んだ描写が多いように感じた。

本作は特殊な力に覚醒した弟ダニエルに寄り添う兄ショーンがプレイヤーキャラクターであり、自らが力を行使するのではなく、力を持て余す幼い弟とどのようにコミュニケーションを取っていくかで物語が変化していく。重大な選択がラストに待ち受けているのは本作も同様で、2人で乗り越えてきた日々をどのように受け入れるかはショーンとなったプレイヤーが決断しなければならない。

時事的で重めのテーマや人によっては共感しにくいキャラクターの行動などもあって、前作ほど爽やかで感傷的なプレイ後感は得にくいかもしれないが、美しい音楽が添えられる『LIS』らしいストーリーテリングはやはり魅力的だった。

#176『Ghostwire Tokyo』

昔から日本の妖怪伝承、怪談、都市伝説、そして陰陽師が好きだった自分にとってはどストライクなゲーム。

属性によって性能が異なるエーテルショットを使い分けるFPS的な立ち回り、一人称視点での軽快なパルクール、霊に忍び寄ってステルスキル(成仏?)を狙う緊張感、細かく観察したくなる渋谷と日本の住環境描写など、ゲームとして奇抜な印象でありながら各要素の作り込みは非常に丁寧で、日本産サンドボックス型アクションゲームとして予想以上の質の高さに驚かされた。

また、今年4月の大規模アップデートがもたらした影響は大きく、アプデ前は戦闘での鈍重さが気になる方もいたかもしれないが、新スキル「ジャストガードカウンター」「ドッジ」「空中即浄」はそのような不満を解消するほど快適なものであり、本編とは独立したローグライトな追加モード『蜘蛛の糸』もかなり楽しめた。

万人にウケる内容とは言いづらいが、個人的に突き刺さる作品だった。

#175『Control Ultimate Edition』

Alan Wake Remasterd』に続き、Remedy社の本作をプレイ。同社の作品に惹かれるファンは多いというが、確かに尖った海外ドラマのようなカルト的な魅力は本作を通じても感じ取れる。

ゲームプレイの部分はかなりキビキビと動くTPSとなっており、繊細なエイムでHSを狙ったり、カバーリングを駆使して慎重に立ち回ったりするよりも、強めのアシストやヒットボックスの大きさを活かし、走り回りながら攻め続けた方が戦い易いバランス。弾薬が自動装填されるサービスウェポン(メイン銃)は、1本のHGでありながら謎の力でSMGにもSGにもGLにも変形するギミックを持ち、本作の不可思議な舞台設定を演出するアイテムのひとつともなっている。

ジェシーらのセリフやカットシーンを鑑賞しても「何が起きたのか」「なぜそうなったのか」といった核心的な解説は避けられており、『Alan Wake』同様“シーズン2”が気になる作品。

#174『クアリー ~悪夢のサマーキャンプ』

実在俳優をリアルに取り込み、ゲームと映画のハイブリッドのような作りに驚かされた『Until Dawn』を生んだスタジオが新たに手掛けたティーンホラーということで、この時期にゲームカタログからチョイス。

同開発元の『Dark Pictures』シリーズは未プレイなため8年前の『Until Dawn』との比較にはなるが、キャプチャーされた俳優の表情や演技はより現実に近くなり、ストーリーへの没入感はとても高まっている。近年ではインタラクティブな実写ドラマも話題になる中で、俳優の存在感をゲームに落とし込み、プレイヤーが操作するキャラクターとして親近感を抱かせるアプローチは本作でも巧み。

ゴア表現に規制を感じた場面はいくつかあるが、『Until Dawn』のように投げやりな修正対応は見られず、日本版でも概ね一貫性のある凄惨さは貫かれていたので、本作のような題材から得られる恐怖感に期待している方も満足できるはず。

#173『Alan Wake Remastered』

プラットフォームの垣根を超えてリマスターされた本作がフリープレイ提供されたので、XBOX360時代から気になっていた作品だけにプレイを始める。

常に操作キャラクターのアランが画面の片側に寄っている背面カメラのため、非戦闘時の視点に違和感を感じるが、フラッシュライトやフレアなどの光源を浴びせ続けて敵が纏う影(無敵バリア)を剥がしてから銃火器で射撃するという一連の駆け引きには独特なスリルがあり、不意に暗闇から現れる敵に対して単に銃を乱射しても倒せない緊張感は、本作ならではの面白さだった。

サイコホラーの様相を呈するストーリーは、本編やDLCを通して襲い来る闇の存在を暴き、囚われた妻を探し、救い手である協力者との邂逅を経てもなお謎は残る。アランの行く末を描くであろう今後の物語への興味とTPSに一工夫加えたユニークなゲームプレイのおかげで、ノーマークだった今年リリース予定の続編がとても気になっている。