【レビュー #13】The Saboteur

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反逆のショーン

友人をナチスの将校に殺された元レーシングドライバーのショーンが、レジスタンスとしてナチス占領下のフランスで破壊工作をしつつ、将校への復讐を遂げるというお話。

国の解放よりも、個人的な復讐劇の側面を色濃く描いているのが印象的。

モノクロの世界と色を取り戻していくパリ

本作の特徴とも言えるモノクロのゲーム画面ですが、占領下の抑圧された光景をセンス良く映し出します。
地区の解放を進め、街や自然が色を得ていく過程はプレイヤーにも達成感を感じさせてくれるほど。

闇夜に浮かび上がるエッフェル塔は幻想的で、郊外の豊かな森林地帯は牧歌的な風景に和みます。

相棒はダイナマイト

基本的なゲームプレイは、他のサンドボックスオープンワールドアクションと同様に、依頼人から受けたミッションをこなし、敵の拠点や重要人物を撃破して物語を進めていきます。

メインのミッションの間には、無数に点在する(1,000カ所以上!)ナチスの施設を破壊して資金を蓄えます。
GTAのようなサイドミッションは多くなく、ひたすらダイナマイト設置→発破!という単調な流れに陥りますが、派手に吹き飛び瓦解する監視塔や敵兵器を見るのは気分爽快で、個人的にはあまり苦になりませんでした。

また、街中の市民に殴り掛かったり発砲したりもできますが、ナチスに追い回されたり、一時的に避難場所が使えなくなったりします。
中でも、警戒レベルを最大まで上げた場合、地上では戦車や装甲車に追い回され、空からはツェッペリン飛行船や戦闘機からの銃撃にさらされるというカオスが味わえます。

TPSの操作性としてはオーソドックスな仕上がりで、すぐに馴染めるでしょう。
個人的には、第二次大戦下で用いられた銃火器の取り扱いは珍しく、新鮮に感じました。


一方で、難があるとすれば、建物を登るクライミングの動きに関してでしょうか。

前述した通り、ゲーム内には無数の爆破対象があり、その多くが屋根の上や高い場所に設置されているため、クライミングが必要不可欠になります。
しかしながら、主人公は「ただの人」のため登り降りが遅く、その動作にストレスを覚えます。

さらに細かいことを言えば、アサシンクリードシリーズでいう「イーグルダイブ」のような高所から一気に降りる術が用意されていないため、建造物の上に登りきってからまたちまちまと来た道を降りる作業が面倒です。(もちろん、それなりの高さから落下すれば即死してしまいます)

それでも、手に汗がにじむような場所に登るのは、スリルを感じられて面白いことは事実ですが。

メインミッションを追うだけであれば問題ないものの、トロフィー獲得ややりこまないと気が済まない方にはそれなりの時間を要します。

雰囲気ゲーとして最高なので、ぜひ!

ゲーム性というよりも、時代や舞台の雰囲気を楽しみたい方にオススメします。
ゲーム自体はそつなくまとまっているので、アクションゲームの得手不得手問わず楽しめるでしょう。

ナチスを相手に暴れ回るも良し、車を集めてドライブに勤しむのも良し、ひたすらおっ○いを眺めるも良し!、です。

付属のDLCについて

最後に新品ソフトに付属されていたDLCについてメモしておきます。

DLC利用方法】

  1. PSNの海外アカウントを取得する(自分の購入した地域のもの。私の場合は欧州)
  2. オープニング画面右端の「DOWNLOADS」を選択。この時EAのアカウントの取得を促されるので、メールアドレスとパスワードを入力して取得
  3. EAアカウント取得後、コード入力画面になるので特典コードを入力
  4. 3.の時点でコードが適用されるらしいのですが、私の場合はエラーが出てダメでした。改めて「DOWNLOADS」を選択するとPSstoreへのリンクがあり、ジャンプした先の欧州PSstoreでDL、インストールできました)
  5. 「NEW GAME」で始めてみて、初っ端のムービーで女性がトップレスになっていたらアンロック完了です。乳首が隠れていたら入力に失敗してます


開発元からの最後のプレゼントとして受け取っておきましょう(笑)