【レビュー時のプレイ時間】 15-20h
<総合評価> 3.0 / 5
独創性 | 映像性 | 音楽性 | 操作性 | 熱中度 | |
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2 | 3 | 3 | 4 | 3 | 各/5点中 |
【良い点】
“暴れ回る事にペナルティが無い快感”
このゲームの最大(かつ唯一)の魅力と言えば、敵や市民に暴虐の限りを尽くしてもペナルティが無いに等しい事。一応、軍の戦車やヘリに追われることにはなるが、それすらも「ご褒美」であり、主人公の圧倒的なパワーでねじ伏せるのは容易。吸収した軍人にカムフラージュして死角に逃げ込めばアッという間にアラートも解除される。他のオープンワールドゲームでは非人道的な行為をすればそれ相応の報いが待っているものだが、本作に関してはプレイヤーへ罰を下せる存在はいない。
“システム回りは親切”
ゴアな表現がウリのタイトルながら、意外にシステム回りは親切。オープンワールドゲームに付き物のコレクティブル収集もマップを見るだけでおおまかな位置が分かるし、戦闘中を含めて能力切替時にはゲーム時間が停止するので、他のアクションゲームのように即座の反応・判断は求められない。能力を引き継いだ2周目以降も自由に難易度を選べ、気軽に上位難易度を選択できる。全体を通じた操作レスポンスも良好。
【惜しい点】
“プレイヤースキルを問わない単調なゲームプレイ”
良い点で挙げた豪快なゲームプレイは、同時に、ボタンを押すだけで敵を倒せる単調なゲームプレイも意味する。主人公の圧倒的な力は作り手のコンセプトに依るものだとしても、あまりに歯ごたえが無さ過ぎるアクションへは没頭できない。また、メインストーリーだけ追えばキャンペーンのボリュームも短めで、多少シビアな戦闘を強いられるのもラスボス戦程度。プレイ時間を経ることでスキルの向上を楽しめるのがゲームの醍醐味のひとつと言えるが、本作にはその楽しみが希薄。
“ゲームを通した演出に独自性が薄い”
通常の戦闘が派手なためか、ストーリー展開のメリハリが見えにくい。モノクロなカットシーンも某映画や某ゲームで見たような演出であり、そもそも本作のようなキャラクター・世界観にマッチしているようにも思えない。QTEを交えたボス戦も前世代にて使い古された表現のため、感じる迫力よりも既視感による興味の喪失の方が先行してしまう。全体的にはまとまった作品でありながら、シリーズ1作目のような荒々しさが失われて没個性的になってしまった印象が残る。
【総評】
素直な感想としては「フルプライスで買わなくて良かった」。今回のフラッシュセールで久々に存在を思い出して購入後、サクッとプレイしての評価が上記のものなので、発売当初のメディア、ユーザーからのイマイチな反応も頷ける。
本作をプレイして今後もシリーズの展開を希望するプレイヤーはそう多くはないと思う一方、開発スタジオであるRadical Entertainmentを事実上閉鎖させたActivisionがIPをどう扱っていくのかについては関心がある。
- アーティスト:Ps3
- 発売日: 2012/04/24
- メディア: Video Game