#165『ELDEN RING』

従来作と比べるとTIPSが適宜表示され、本作から心を折られるであろう新規プレイヤーへのフォローを見せつつも、相変わらず初見では表層しかなぞれない濃密な物語背景、序盤から殺しの圧力をかけてくる巧妙な敵配置、クセの強さが匂い立つNPCフレーバーテキスト、探索心を刺激する「死にそうだけど進みたくなる」ダンジョン構造など、今や様式美となった『ソウル』を形作るフロムソフトウェアのセンスは本作でも圧倒的。

他にも戦技の付け替えや武器の変質派生を気軽に行えたり、デリケートなフラグ管理を要していたNPCイベントを途中からでも(概ね)フォローできたりと、全体的な遊びやすさの向上を感じられるのも良い変化。

オープンワールド化した本作においてもこれまでのエッセンスは十分に取り込まれ、エルデの王を目指す長い旅路は、“ソウルライク”というひとつのジャンルを築いたシリーズの新たな一歩を感じさせる満足感のあるものだった。