#178『INSIDE』

同スタジオの『LIMBO』をプレイしてから長年気にはなりながらも触れずにいた本作がゲームカタログから外れるということで、見逃すのは惜しいと思いようやくインストール。

セリフやBGMなどが全くない静寂な不気味さの中で不穏なステージギミックを解き進めるにつれ、おぞましいプロジェクトの一端が少しずつ見えてくる。無慈悲な死と隣り合わせにデザインされたパズルは解法にほどよく頭をひねる必要があり、ひとつひとつを突破できたときの安堵感は本作のような重苦しい雰囲気の中であるからこそ一層心地よい。パズルの中には初見殺し的なものもあるが、操作は限りなくシンプルで、素早いリトライや細かいオートセーブポイントもあるため、チャレンジを繰り返すことによるシステム的なストレスは少ない。

ゴールまで辿り着いてもストーリーは推察の域を出ないが、得体の知れない恐怖感を静かに植え付けてくるスタイルは『LIMBO』以上の出来だった。