GAMELiFE 365

まいにちコントローラーを握りたいゲーマーの不定期なプレイログ

【レビュー】THE ORDER: 1886(ネタバレ有)

【レビュー時のプレイ時間】 9h

<総合評価> 4.2 / 5

独創性 映像性 音楽性 操作性 熱中度
3 5 4 5 4 各/5点中

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*良い点*
  • 映画を見ているかのような美しいビジュアル
  • 没頭するストーリーと余韻の残るエンディング
  • 個性際立つキャラクターと丁寧なボイスアクト
  • 繊細で美しいBGMと重厚感ある迫力の銃撃音
  • TPS(カバーシューター)のお手本のような快適な操作性
  • ゲームのテンポを阻害しないQTEとストレス無いコンティニュー
*残念な点*
  • オフラインキャンペーンのみの作品ながら少ないボリューム
  • 本作ならではのオリジナリティの低さ
  • 特定操作を強いられるパートの存在や報酬の欠如による貧弱なリプレイ性
  • 続編ありきで残された多くの謎

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【まとめ】

キャラクターのモデリングから舞台となる産業革命後の近代化が進むイギリスの風景まで、次世代感ある細やかなビジュアルで描かれている。騎士団と反乱軍、そして宿敵となるライカン(半獣)が入り乱れる物語は、まるでアクション要素の強いスリリングな映画を見ているように、何度も窮地を切り抜けながら孤軍奮闘する主人公・ガラハット卿に感情移入してしまうほど熱中する。批判の対象として挙げられているプレイボリュームの少なさは否定できないものの、プレイ後の満足度とのバランスを考慮すれば決してネガティブなだけのポイントではないと感じる。

また、TPSとしての完成度も非常に高く、コートを翻しながらの迫力あるダッシュと遮蔽物へのカバーリングを駆使しながら敵を殲滅していくテンポの良さは遊んでいて気持ちが良い。重みのある響きのアナログな重火器と派手で破壊力のある科学武器を駆使しながらの銃撃戦は、昨今のシューター作品に多いリアルな現代兵器戦に食傷気味の方でも新鮮に楽しめる。随所に盛り込まれたQTEもスピーディな物語展開を阻害するものではなく、さすがQTEの本家である『God of War』を生んだサンタモニカ傘下のスタジオだけのことはある。

しかしながら、スタジオ初の「完全新規タイトル」かつ「AAA級タイトル」とは言え、不満点として指摘さぜるを得ない点が2つある。

一つ目は、ストーリーが続編を想定した内容であり、敢えて語られない部分が多すぎる点。以下、プレイをした中で個人的に解決していない(十分ではない)と思う点。

  • オーダー構成員の素性とライカンとの因縁
  • ガラハットとセバスチャンの過去
  • イザベルがガラハットに固執する訳(エピソード)
  • ラクシュミやデヴィのプロフィール
  • ラクシュミがブラックウォーターを入手した経緯
  • 度々登場するローブを纏った謎の老人
  • テスラとラクシュミ(&謎の老人)の関係

上記で指摘した通り、作品としてのボリュームが多くはない中でこれだけ未消化な部分を残すのはいただけない。やんわりと匂わす“伏線”としてではなく、明示的に物語へ登場させておきながら満足に触れないというのは“語り落ち”と言われても仕方が無い。世界観やキャラクターの魅力は十分に備えており、開発陣の続編制作の意欲も高いとは言いながらも、新規IPとして世にリリースした以上、もう少し綺麗に物語を畳んでほしかったもの。(同じく技術力の高いファーストパーティ群においても、NaugtyDogのストーリーテリングの上手さが際立つな…)

二つ目は、ゲームプレイにおけるユーザーへのストレスが多い点。非常に質の高いカットシーンは見ごたえはあるものの、それらを任意にスキップできないのは配慮に欠ける。全編を通してロードがほとんど無いのはこうした場面でのバッググラウンド処理を行っているからかもしれないが、実際にプレイヤーが操作できるプレイアブルパートの少なさからもスキップ不可の不便さは気になってしまう。また、そのプレイアブルパートの中でも強制的に歩かされたり、一部操作を制限されたりとせっかくの快適な操作性を味わう機会(=戦闘)が思うほど多くない点も全体的な物足りなさを助長しているように感じられる。

以上から、作品としての世界観構築は見事ながら、その世界にプレイヤーを長く留まらせる気配りが足りなかったという印象。また、TPS・ステルス・パルクール・周辺環境によって柔軟に変化する格闘キル…などの優れた各要素を統合しつつも、最終的に本作ならではの要素(オリジナリティ)を見出すことが出来なかったことも惜しい。


【総評】

PS4ローンチ時から熱望されていた作品としては概ねその期待に応える出来栄えだったものの、海外レビュー等でもネガティブ評価を受けているボリューム面についてはもう少し工夫できなかったものか。同じくシングルキャンペーンのみだった『アンチャーテッド』初作くらいのボリュームであればここまでの批判は起きなかったかもしれないのに。(ただし、PS3ローンチ時とは時代が変わっておりマルチプレイ搭載が当たり前となっている現在とは一概には比べられないが)

個人的には、初のオリジナルタイトルをこのクオリティで仕上げたReady at Dawnを素直に評価したいと思うし、親元のサンタモニカと共にPS4の性能を存分に生かして良質な作品を生み出してくれることを期待している。恐らく、今年のE3にて『GoW』新作が発表され、来春くらいのリリースとなるような気がするが、それらを経た後に『The Order』の新作も続くと嬉しいかな。

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