#148『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』

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シリーズ初プレイとなった『ペルソナ5』に予想以上にハマってしまい、同作後の新規ストーリーを備えた本作も続けてプレイしようと思っていた矢先にフリープレイ化したのは幸運だった。

ジャンルはターン制コマンドバトルRPGから、無双系アクションRPGへと大きな変貌を遂げているものの、新規キャラクターを含めた怪盗団面々の“ノリ”や雰囲気、”心”にまつわるシナリオ、お馴染みのBGM(やスタイリッシュにリミックスされた楽曲)、ペルソナスキルで敵の弱点を突きつつ総攻撃を狙うシステム、オシャレなUI等々、オリジナルの作風をかなり尊重して作られており、別会社が製作する続編としては非常に満足のいく内容だった。

なお、PS5に最適化されているのかは分からないが、グラフィック優先にしても安定した高フレームレートで遊ぶことができる上、ロードも数秒で済み、ゲーム中の決定ボタンも×ボタンとなっている。

#147『ペルソナ5』

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良かった点

  • 理不尽な事件により汚名を背負った高校生主人公が、同世代の仲間たちと異世界を通じての“世直し(義賊)”を繰り広げるピカレスクな物語が魅力的。
  • JRPGらしいオーソドックスなターン制コマンドバトルの中で、パーティメンバーとのバトンタッチ(追撃)でいかに有利な形勢を維持し続けるかという戦略が面白い。また、異形な敵を単に倒すだけでなく、仲間のペルソナとして取り込むか、金銭・アイテムを巻き上げて撤退させるかといった奇妙な会話交渉も、敵の見た目に反して笑える応酬が多い。
  • ゲーム内の日常で流れるジャジーでアンニュイな曲の他、ダンジョン攻略や戦闘時での力強くオシャレなボーカル曲が強く記憶に残る。『ペルソナ』シリーズのBGMにファンは多いと聞くが、本作でも納得の良さ。
  • PS5・外付けSSDの環境下でプレイした影響があるのかは不明だが、全体的にロードが短い。各スポットへのファストトラベルも3秒ほどでサクサクと移動できる。

残念だった点

  • ネタバレ防止のため、オープニング以外全編を通して画像・動画のキャプチャーができないのは残念。(トロフィー獲得時の自動キャプチャーも無効)

#146『Detroit Become Human』

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良かった点

  • 人間がアンドロイドを使役する近未来のアメリカにおいて、アンドロイド達が自我を獲得し、行動し、社会を変革していく様がドラマティックに描かれている。舞台がデトロイトであることから実際の歴史的な人種運動も思い起こされる中、一貫して被差別者のアンドロイド達の視点から力強く物語を描く様は、プレイヤーの心情を大きく揺さぶってくる。
  • これまでのQuantic Dream作品同様、ゲームでは一見嫌われがちなQTEをシーンの臨場感や操作キャラクターへの没入感を高めるために効果的に取り入れている。物語序盤でカーラ、マーカスが自我を芽生えさせる場面において、アンドロイドとしての抑制プログラムをプレイヤー自身に破らせる演出は、単純なQTEながらもかなり刺激的な体験だった。
  • 物語の分岐・派生がかなり細かく枝分かれしており、章ごとの異なる結末が積み重なることで終盤の展開が大きく変わってくるダイナミックなストーリーが面白い。苦難を乗り越え、感動的に迎えたシーンでも、選択によってはまるで異なる後味の悪いものへと変わるため、すべてのルートを辿りたくなってくる。
  • 2018年にリリースされたPS4の作品ながら、説得力のある精緻な人物モデリングやフェイシャルモーションは、PS5へ移行した現在でも見劣りしない。また、操作自体はQTEながら、アクションシーン(殺陣)の魅せ方が映画的で格好良い。
  • 機知や皮肉を含んだ会話も丁寧にローカライズされており、日本語吹き替えの質もとても良い感じ。

残念だった点

  • 豊富なルートをフローチャートで一覧できるものの、任意のポイントから開始できず、既に観たルートのシーンスキップもできないため、異なる展開を追いたいときに時間がかかる。
  • PS5でのプレイ時特有の問題なのかは不明だが、数時間プレイしているとスタッタリングが発生することがある。

#145『GRAVITY DAZE 2』

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良かった点

  • 前作から続くキトゥンの物語が完結を迎え、その出自や空から落ちてきた理由が明らかとなる。作品として前作が上巻・今作が下巻のような内容であり、「上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択」というサブタイトルが示すところへ向けて、密度の濃いストーリーが展開される。
  • 一生懸命で天然なキトゥンや、その周囲のクセの強いキャラクターが相変わらず良い味を出しており、媚びすぎないキャラクターデザインも秀逸。引き続き漫画のようなコマ割り演出のカットシーンを継続させているのも、本シリーズの雰囲気に合っている。
  • キトゥンとサブキャラクター、住民たちのゆるく、くだらない(褒め言葉)やり取りが楽しめる豊富なサイドミッションは本作でも健在。

残念だった点

  • 前作以上に高機動・大型の敵と戦う場面が増えたことにより、空中を飛び回っていると視点がぐわんぐわんと切り替わり、思うように立ち回れないことが多々。正直なところ、アクションゲームとしては爽快感よりストレスの方が勝ってしまう残念な印象。
  • 2018年でオンラインサービスが終了しているのは仕方のないことだが、チャレンジミッション完了時に毎回オンラインとの接続メッセージが表示されたり、サービス終了により現在は入手不可なゲーム内リワードがラインアップされ続けているのは少々不親切。

#144『STAR WARS Jedi Fallen Order』

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サブスクサービス「EA PLAY」が、これまでにサービスを利用したことのないユーザーを対象として、1か月150円でお試し提供しているのを偶々目にしたので、本作目当てに加入。サブスクサービスとしてはラインアップに乏しい印象ではあるが、60fps対応の本作PS5版をわずか150円で楽しめたことには大感謝。

本作はSWのカノン(正史)として位置付けられているだけに、ストーリー展開やキャラクター造形(恒例の相棒ドロイドの愛らしさ)はもちろんのこと、演出や音楽も映画に匹敵するクオリティで、SW作品としてのこだわりが大いに感じられる。本作終盤にアノ方が姿を見せ、圧倒的な力を見せつけるのもファンとしては嬉しいシーン。

ゲームプレイは1対1が前提なシビアな戦闘と体力回復ポイントで休むと道中の敵が復活するといういわゆる“ソウル系”アクションではあるものの、敵の配置や数に嫌らしさはなく、休憩ポイントも数多く点在しているので、全体的な難易度はあまり高くはない。フォースを効果的に使い、ライトセーバーでの捌き方を覚えていけば、映画のジェダイのように格好良く立ち回っていける。

全体として、帝国の圧政に立ち向かう若きジェダイ・カルの成長譚、SWらしいアクションとソウルライクなシステムが練り合わされた優れたゲームとして仕上がっている。