『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』のレビュー。
発売日 | 2016年10月13日 |
ジャンル | サバイバルアクション |
長寿タイトルをリブートさせた前作の続編であり、XBOX・PCの時限独占により遅れることおよそ1年、ようやくPS4版がリリースされた今作。2016年がシリーズ誕生から20周年の節目ということで、本編発売後にリリースされた各種DLCや新たに追加されたコンテンツを盛り込んだ大ボリュームの完全版となっている。
しかしながら、実際に遊んでみるとゲームプレイが前作とほぼ変わらず、新鮮味が薄いことに気づく。また、ストーリーに関しては、前作で冒険者として覚醒したララが自身の宿命や過去のトラウマに悩みながらも更なる成長を遂げるというストーリーが描かれてはいるものの、周囲との関わり合いの描写が少ないことや散発的なララの独白や回想がメインで進行していくため、残念ながら内省的なテーマの割には共感できるポイントが少なかった。
開発者側としてみれば、ララ・クロフトという人気キャラクターの人物像をより丁寧に掘り下げていきたいという想いがあるのは理解できるが、同ジャンル作品の『アンチャーテッド4』においては、トレジャーハンター業を引退するかどうかに悩むネイトの現実を本人の考え方のみならず、妻であるエレナ・師匠かつ冒険仲間であるサリー・兄であり唯一の家族であるサムなどといった多くの視点から見事に語った脚本と比べると、どうもドラマ不足を感じてしまった。
全体的に見れば続編として手堅くまとまってはいるものの、前作のインパクトが非常に大きかっただけに、少々物足りない作品だったと言える。
満足な点
- ダイナミックなアクションとフィールド探索の面白さ。
- 前作同様、英語版のララの声優の演技が素晴らしい。
- 適度な難易度の謎解き。試行錯誤しながら、チャレンジトゥームをクリアできた時の達成感は心地よい。
残念な点
- 感情移入しにくいストーリー。
- 前作と代わり映えのしないゲームプレイ。
- 豊富なDLCが用意されているとはいえ、それぞれのクオリティ差が激しく、すべてが面白いものではない。
評価
7.2 / 10