#---『The Last of Us Part Ⅱ』

2013年にリリースされた『The Last of Us』の続編。前作物語の補完と世界観の拡張が試みられており、単なる『2』ではなく『PartⅡ』というタイトル通り、前作が前編・本作が後編といった印象。

本作においては、ジョエル、エリー側と立場を異にするアビーという第3の主人公とも言える女性の操作パートが盛り込まれており、前作でのエリーを救うという行動が『The Last of Us』という世界の中で何を生み出したかがより複層的に描かれていく。

サバイバルアクションゲームとしては、少ない弾薬や物資をやりくりしての緊張感ある戦闘に加え、ダイナミックな近接格闘の導入、自家製サイレンサーの作成や匍匐移動・草むらを利用した隠密要素の強化、敵勢力に感染者をけしかけてお互いの数を減らす状況利用といった手法が増えており、戦い方(避け方)のアプローチがより多彩になっている。

個人的には名作である前作の続編として見届ける価値のある優れた作品だと思うが、エリーの幸福を願うプレイヤーにとってはエンディングを含めてやるせない場面も多いため、開発者も述べている通り賛否両論の評価となるのは致し方ない。

本作をコーヒーのように「苦いが旨い」と評するか、「苦くてまずい」と評するかもまた魅力なのかもしれない。