#149『DAYS GONE』

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PS4時代に触れられなかった話題作。ポストアポカリプスの荒廃した世界・ゾンビ(感染者)・オープンワールドといった要素は人気故にありふれているが、夫婦愛や友情・因縁を巡ってアウトローな生き方から脱却する主人公ディーコンの成熟、燃料を補給しながら豊かな自然を走破するバイク移動、数十~数百の群れとなって押し寄せる感染者の大群とのスリリングな戦闘など、本作ならではの体験は確実に内包されている。

確かに、物語のギアが入るまでには少々時間がかかり、チューンアップが捗らない状態のバイクは性能が乏しく、所持武器が貧弱でディーコンのステータス(ライフ、スタミナ)も低いうちは感染者から逃げ回るのも精一杯ではあるが、妻サラについての事実、兄貴分ブーザーとの深い信頼、各地のキャンプリーダーやサブキャラとの交流などの描写が増え、バイクのスピードや航続距離が伸びて移動のストレスが減り、武器の選択肢が増えて感染者相手の立ち回りも理解できてくる中盤以降になってくると、グンと面白さが上昇する。

metacriticでのメディア評価は70点に留まるものの、一方のユーザースコアは8点を超えている珍しい例からも、ファースパーティ製のタイトルとしてはクセのある仕上がりかもしれないが、オリジナリティを持った楽しめる作品であることは間違いない。